メニューインによるヴァイオリンのための6つのレッスン(2-右手の準備編…弓と指との関係性という基本原理の学び方)〜第2回

Violin上達しよう

 以前の記事『【速報】《弦楽器奏者のためのカラダの使い方講座》的おすすめ教材5冊+2冊』で紹介した『メニューイン/ヴァイオリン奏法』という書籍の解説を試みます。

 もともとこの著作は、ビデオによる6つのレッスン・シリーズのテキストとして書かれたものです。(ここでも書きました→メニューインのヴァイオリン奏法についての記事

 第2回目となる今回は「レッスン2 右手の準備編」についての解説です。

弓との関係性を身につける

 レッスン2の冒頭でメニューインは弓に見立てた一本の棒を手に取りこう言います……この棒を使って学ぶのは……弓への指の置き方、バランスといった基本原理である……と。

 動画を見続けてゆくと、あるいは、テキスト『メニューイン/ヴァイオリン奏法』を読み進めると、弓の持ち方を学習するための体操のような練習方法が紹介されていきます。

 これらの《体操》はいずれも有名なものです。しかし、ヴァイオリン教師は注意深く指導にあたる必要があります。「なんのために、この《体操》を用いるのか?」「何が達成される事を狙って、この《体操》を選択するのか。他の方法ではだめなのか?」ということを教師たる自分に向けて常に問う必要があると思います。

体操の狙い・その1【脳トレ】

 こうした《体操》の最大の目的は脳トレです。新しい道具を手にしたときに、脳では『こいつ、どんなヤツなんだ?』と試行錯誤が始まります。手にとって、触って眺めているだけでも、脳トレが始まっています。肌触りや重さ・長さからどう動かせそうなのか仮想デモが何パターンも作成されます。

 そして、実際に動かすことで、仮想デモと食い違っていたことをどんどん補正していきます。これは、どんな練習でも同じことなのですが、とくに初歩の段階では脳内での計算が激しく行われます。自転車や竹馬に初挑戦しているのと同じチャレンジが行われているのです。

体操の狙い・その2【動きの成分を学ぶ】

 これも脳トレと言えるかも知れません。ヴァイオリン演奏を可能にする弓の《動き》をいくつかに分解して練習することで、実際には複雑な運動を、単純化して学習することを目指します。

 ヴァイオリンの演奏を可能にする弓の運動とは、どのような弓の運動であるのか。弓がどう動くと弦をこすることが可能になるのか、ということをいくつかの段階に分けて訓練していきます。実際に弓(棒)を動かしながら、体得していくという意味ではこれも脳トレの1つといえるでしょう。

 特に初歩の段階では、静止したときの形・姿にこだわるのではなく、身体を動かすことと弓(棒)の動きがどのように結びついているのかを実験するようなつもりで取り組むことをオススメします。

 以上、テキストには書かれていない「なぜ、この段階でこの練習を選ぶ必要があるのか」ということを書いてみました。

 ……コツコツと続きます。乞うご期待!

参考

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