アレクサンダーテクニークのレッスンを受けてきましたのでご紹介します。昨夜(2012/12/14)のレッスンです。
かなえ先生(常木香苗 公式Webサイト)によるアレクサンダー・テクニークのグループレッスンでした。
かなえ先生は、フルートやヴォイス・トレーニングを主な活動としています。ですが、弦楽器の指導もできてしまうんですね。アレクサンダーテクニークの教師って、いつも「えっ?!なんでそんなことがわかっちゃったの?」というところをえぐってきます。今回もすごかったです。
私は譜面台を立て、楽譜を載せる。立ったままバイオリンのチューニングをしながら、楽譜の大きさについて雑談している。そして、チューニングを済ませたかどうかの頃に……先生がポツリといいました。
Kanae先生:ひょっとしたら、股関節がゆるみすぎているかも。
それで、こっち(膝や足首などを指差しつつ)に負担がいっているかもしれないね。Ichiro:ああああ!(まったく意識していなかった)
そうですか(膝・足首だけでなく、腰や背中も気になり始めて動いている)Kanae:(緩んでいるのが)普段からなのか、アレクサンダーテクニークやっちゃったせいなのかはわからないけれど。
Ichiro:膝とか足首は、使わなさ過ぎている気がしている。バイオリン演奏に限らず、しゃがんだ時だとか。
Kanae:なんとなく、このエリア(股関節から下、足先までを指して)が気になりまーす!(笑
とりあえず、弾いてみましょう。
演奏する前から、この頃気になっていたことをズバッと言われてしまいました。かなえ先生は、こちらがどう思っているのかを知ってかしらずか、演奏するように誘います。
私は、ベートーヴェン「田園」3楽章の冒頭を、楽譜を見ながら弾こうとするが、なかなか弾き始められない。演奏しようと思えないでいるので、それでも演奏しよう、そんな葛藤を始めた矢先に…(←この間2秒間ほど)
Kanae:なんか、足と胴体が違う人みたい
Ichiro:(ああ、この違和感はそう見えているんだな)
(さっき弾こうとしていた「田園」3楽章冒頭を弾き始める)
やっと演奏をし始めました。いいような悪いような……と思っていると、また止められました。
Kanae:ちょっと止めます。
何もアイデアはないんだけど……全身がいちろーさんになるとイイな、と思います。
譜面の刺激はたいそう強いのですが、世の中には楽譜以外のものがあって、奏でた音は、むしろここ(楽譜)ではなくて、ここ(楽譜ではない、部屋のある一方向)に飛んでいくんですね。後ろにも行きます。まずは、世界が広がりました。でも、油断するとあっという間に世界が、このなか(楽譜)だけになってしまうんです。ここ(楽譜)から来た情報を、いちろーさんは音にして世界に伝える仕事があります。
Ichiro:おおおおお(言葉にも感動したけれど、実感が体の中に広がった)
演奏者の仕事は?
音にして世界に伝える仕事……この言葉にいたく感動した夜でした。