音色に関する不満を考える~「思った通りの音を出すには?」

 こんにちは。いちろーです。

今回は「思った通りの音が出ない」ということについて、考えてみます。
この「思ったとおりの音が出ない」とは、どういう意味なんでしょうか?
あるいは、どんな状況のことを言っているのでしょうか?
どんなことが思い浮かんだでしょうか。
すこし考えてみましょう。


私の場合には、
「思ったとおりの音が出ない」とは、こういう言い換えが出来ました。
・欲しい音色と違う音が出た
・欲しい音程と違う音が出た
・欲しいタイミングと違って音が出た
・欲しい音量とは違う音が出た 
私の場合は、ざっとこんな感じですが、いかがでしょうか?
「他にもこんなのあるよ」という方がいらしたら、ぜひ私とシェアさせてください。
私もその問題について考えてみたいです。
さて、今回は「音色」について考えてみます。
さあ、楽器を演奏するときのことを思い浮かべてください。
いま、バイオリンと弓を取り出して演奏を始めようとしています。
「欲しい音を出そう」としたとき、あなたは何をしているでしょうか?
――まず、自分の欲しい音を思い浮かべます
――そして、弓で弦をこすって音を作ります
はい、音が出ました。
どうでしたか?
気に入った音でしたか?気に入りませんでしたか?
気に入った音だったならOKですね。
いつもその通りにやればいいと思います。
この先は読む必要がないです!ご自分の演奏を少しでも多く楽しんでください。
でも、気に入らなかったなら、一緒に考えていく価値がありそうです。
気に入らない音が出たのは、なぜでしょうか?
何が、欲しい音を出す邪魔をしたのでしょうか?
楽器と「わたし」の間に、邪魔をする何があるのでしょうか。
何か見つかりましたか?
(見つかったなら、教えてくださいね)
そう、大抵の場合は、何も見当たらないんですね。
ただ、「わたし」と楽器があるだけです。
もうちょっと言うと、「わたし」と「ヴァイオリン」と「弓」があります。
もしも、いまヴァイオリンがあるのなら取り出して、実際に手にとってみましょう。
ヴァイオリンが手元にないならば思い浮かべてみましょう。
あなたのヴァイオリンから音が出てくる時には、ヴァイオリンには何が起きているでしょうか?
どんなことが起こると、ヴァイオリンが鳴るのでしょう?
弦が震えたときに音が出ます。
弦の振動以外にも、どこかを叩いても音が出てきます。
叩くときは優しくノックしてくださいね。爪でひっかくと傷がついてしまいます。
ノックしたら、どんな音が聞こえるでしょう。
弦をつまんで弾いてみたら、どんな音が聞こえるでしょう?
弓で弦をこすったらどんな音が出るでしょうか?
ただ、出てくる音を聞いてみてください。
「自分の出したい音」は、いったん忘れてください。
この楽器がどんな音を持っているのか。
どんな可能性を持っているのか。
まずは聞いてみてください。
楽器から出た音が、自分に伝わってくる感触を味わってください。
出ている音が、部屋に広がっていくのを感じ取ってみてください。
自分の働きかけに対して、楽器がどう応えているのかを。
自分が欲しい音を出す前に、手にしている楽器がどんな音を持っているのかを聴こうとしたときに、同じ楽器でも豊かな音色を引き出せるようになります。お試しあれ。
(なぜそんなことが起きるのかという話は、また別の機会に……)
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