楽器を守る・冬の寒さと乾燥対策~ヴァイオリンひび割れ、弓折れを防ぐためにできる3つの予防策

Violin上達しよう

日本の冬は、寒さと乾燥で弦楽器にはハードな気候です。特に太平洋側では乾燥に要注意です。また、エアコンが普及しまくった現状では、太平洋側に限らず、屋内と屋外を行ったり来たりするだけでも気を付ける必要があります。

乾燥と寒さのせいで、バイオリンをはじめ木でできた楽器たちには「割れ」「折れ」などの破損リスクが劇的に高まります。僕が目の当たりにした例を挙げると……弓が折れる、楽器本体の板が割れる・はがれる、弦が切れる、指板がはがれる、ネックが折れる、テールピースが割れる…などなど。

世界に1つだけの大切な楽器です。なんとしても守りたい!そのために僕がやっていることを3つご紹介します。

寒さと乾燥対策その1:自宅の温度と湿度をチェック!

練習部屋あるいは楽器保管している部屋に湿度計(しつどけい)は置いてありますか?

家庭でする弦楽器の乾燥対策の第1は、温度湿度計です。加湿器は後でいいと僕は思っています。なぜなら、家庭では料理・風呂・洗濯などの影響があります。気密性の高い建物であれば、結露するほどに湿度が高かったりするからです。だから、実際の湿度は正直なところよくわからなっちゃう……。

そこでオススメしたいのが部屋に温度湿度計を置くということです。置いてなければ、ぜひ置くことをお勧めします。湿度計を置いて、家の中で温度・湿度の変化が比較的少ない場所を見つけましょう。とにかく、加湿器よりも先に湿度計をオススメしたいです!ちなみに、僕は冬場の保管場所はダイニングルームにしてます。直射日光が当たらないようにだけ気をつけて。

寒さと乾燥対策その2:急激な変化・ショックを和らげる!

演奏会や練習会場など出先では温度・湿度の急激な変化に気をつけましょう。

温度湿度計内蔵のケースがある人はそれを手がかりにしてもいいと思います。僕は、自分の楽器ケースのシワ具合や、カバンを観察しています。触ったときにどれだけ冷えているか温まっているか、サラッとしているかジトッとしているか。楽器ケースを開ける前に、そうしたところから情報を収集しています。

ちなみに、僕は急激な温度変化を回避するための工夫として楽器ケースを入れられるバッグで持ち運んでいます。ケースとバッグの間に空気の層ができるので、外気の急激な変化がゆるめられて楽器ケースの内側にショックを起こさないようにしてくれる効果が期待できます。

寒さと乾燥対策その3:自分の保湿と同時に楽器もチェック!

練習中や本番の合間にはノドが乾いたり、唇が乾いてきます。水やお茶を飲んだり、リップクリームで保湿ケアをされているかと思いますが、楽器や弓にも気を配ってみることをオススメします。弓の毛の張り具合を調整したり、エアコンなど暖房器具のきき具合を調整するのも良いと思います。

まとめ……要するに、チェック!そしてショックを緩和する!

《こまめにチェックすること》《急激な変化を避ける》というのが僕のおすすめの方針です。心筋梗塞や脳梗塞を避けるための対策と同じです。寒いところへ行く時には「さぁ、寒いところへ出ていくぞ!」と心構えをします。ただ残念なのは、ケースをバッグに入れて持ち歩く僕のおすすめが万人受けしそうにないってことです。そういえば、チェロひきさんはどうしているんでしょうかね…。おすすめのアイデアがあれば是非教えていただきたいです。僕の知り合いのコントラバスひきさんはダンピットを使っていますね…。

保湿剤などの効き目は、使っている楽器ケースによっても変わると思います。外気の変化をケースがどれだけ防いでくれるかは、素材や構造……気密性や断熱性によって変わってくるからです。僕は、上に書いたように《急激な変化を避ける》ことを優先していて、保湿剤・乾燥剤は頼りにしていません。

僕がこの他にやっていることは、季節ごとの楽器調整です。梅雨入り前・木枯らしの吹くころという年2回です。音色の調整という意味合いと、楽器の健康診断を兼ねての定期健診と思っておこなっています。

おまけ…楽器ケースの入るバッグ

僕がオススメする《楽器ケースの入るバッグ》は、楽器ケース愛好家ながらもご自身は長年のバッグ派である古賀弦楽器さん@KogaGengakki )でも「流行らないですね…」と嘆いているくらいレアモノです。知名度が低いだけかな?

これはベース用のものですが、僕が使っているのと同じMooradianのバッグです。ギターやベースのケースメーカーとしては有名みたいです。ヴァイオリン用は…僕が買ったモデルは廃番になりました、ショック!……いまは後継モデルが作られているみたい…雑誌の広告で見ました。ただ、リアルに売ってるのを見たことがないのです。見つけたら教えてください、僕も買います。

Mooradianの何がいいかというと、縫製がしっかりしている。生地の組み合わせ方が合理的で、引っ張り方向とか考えてある。ファスナーもケチッてないから10年近く使っているけど部品が壊れてないです。生地がペラペラ一枚布じゃなく肉厚クッションを挟みこんである。一度電車の中でケースが倒れたというか転がったことがあったけど、楽器は無傷でした。Mooradianではないけど、同じようなバッグがあったので紹介します。

オマケのはずが、長くなってしまいました。反省。もちろん、楽器だけじゃなく自分自身のこともケアしてくださいね。『楽器も自分も守る・冬のトラブル予防~乾く前にしておきたい3つのこと 』

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