「私がバイオリンを辞めない理由」~生涯現役を掲げ、第一線に立ち続ける師匠の近況に思うこと

なぜ、私はバイオリンを辞めないんだろう?

師匠が、わが母校のオーケストラの定期演奏会でソリストを引き受けてくださったのを知ったのは先月のことだったろうか。演奏会まであと1ヶ月を切ろうかというこの頃になり、オケOBのメーリングリストにも話が聞こえてくるようになった。

齢80を超え、なおソロリサイタルを敢行する師匠の姿に、ただならぬものを感じずにはいられない。 ☆関連…2012年8月のリサイタルを聴きに行ったあとの記事
気がかりなのは、腱鞘炎を手術されたということ。
手術を要するほどの腱鞘炎になったのはなぜなのか。
この一点がただただ気になる。


師匠には、バイオリンの初歩の手ほどきに始まり、大学生・社会人となってからも温かく見守っていただいた。特に、社会人となってから数年が経った頃に「何を練習したらいいかわかりません」と駆け込んだ頃に賜ったレッスンは、まさに宝物である。

そんな師匠との長いお付き合いのなかでも、師匠のソロとの共演は、ごく最近になって初めて経験した。そのとき私はオケで伴奏。本番は立奏でなく、椅子に腰掛けての座奏となった。

☆関連…師匠との初共演、2012年3月11日開催のコンサート後に書いた記事

師匠の腱鞘炎が体の使い方に起因するものならば、(私が師匠の教えのままに受け取っているとしたら) 私の身にも同じ故障が起きる可能性は高いと考えた。
たしかに、私の知り合いとの会話を思い出してみると、手首・腰・肩などに痛みを抱える楽器愛好家は多い。なかには、「バイオリンの演奏は不自然な姿勢を体に強いる」と語る声もある。こんな声を聞くと私は複雑な気持ちになる。その人が、音楽を愛するがゆえに練習に打ち込み、骨身を削っていることへの謙遜と自嘲が入り交じっているように聞えてならないからだ。
いっぽうで、バイオリン演奏の達人・名人の演奏を見れば、それは自然のままの美しいものを目にすることができる。だから私は、バイオリン演奏は不自然なものではない、自然のものだと信じる。
《バイオリン演奏は、心身ともに健康へと導くことができる素敵なアクティビティである》ということを、一人でも多くの人に広めたい。
もちろん、そのために自分がそれを体現したいのだ。
師匠の近況を伝え聞いたときに、以前からぼんやりと考えてきた「私がバイオリンを辞めない理由」について思うところを書いてみた。このことについては今後も考えていくことにして、ここまでにしよう。
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