バイオリン応援団の好評連載企画「脱・ヴァイオリン初心者」シリーズへようこそ!
今回は一風変わった書籍のご紹介をしてみようと思うのです。
これです!!
まもなく開演 改訂版―コンサートホールの音響の仕事 (シリーズアーツマネジメント) (シリーズ・アーツマネジメント)
三好 直樹 新評論 2007-09-08
|
改訂版なんですね。なるほど、本文には「のだめオーケストラ」とか出てます。初版は2003年1月で、今回の改訂版は2007年9月です。わずか4年で色々変わるんですね。
さておき、この本は誰にむけて書かれたかというと、「コンサートホールの音響の仕事」と副題にあるとおり、コンサートホールで音響の仕事をする人に向けて書かれた本なんです。
この本は誰が書いたかというと、三好直樹さんが書きました。三好直樹さんはどんな人かというと、東京芸術劇場オープンにあわせて大ホールの音響担当となった人です。すごいでしょう?
というわけで、この「まもなく開演」という本は、プロフェッショナルの、プロフェッショナルによる、プロフェッショナルのための本です。ああ、素晴らしい。
何がすばらしいかというと、わりと色んな人にとって読む価値があるってことです。いろんな素朴な疑問に対する回答・考え方が書かれています。
こんなことが書いてあります
▼あなたのカラオケマイクの持ち方は間違っている!
▼ズバリ!「交響楽団」と「管弦楽団」は、こう違う!
▼種明かし!あの世界的歌手、引退コンサートの裏事情
▼憧れの○○楽団、月給○○万円の悲劇!
その他、こんな人には是非読んでいただきたいです。
▼学生オケ・ブラバンのメンバー、関係者
▼ホールで働く関係者
▼ホールを使う演出家
そして、こんな人にも是非……
▼奈落へ落ちそうになってホールの人に叱られたことのある人
▼ステージで受ける照明がまぶしくて困ったことのある人
▼高いお金を払ったのに木のイスに長時間座らせられてウンザリした人
もちろん、コンサートホールの音響の仕事をしてみたい人には、もれなく読んでいただきたいです。
まもなく開演 改訂版―コンサートホールの音響の仕事 (シリーズアーツマネジメント) (シリーズ・アーツマネジメント)
三好 直樹 新評論 2007-09-08
|
おっと、大事なことを書き忘れてました。
なぜ、この本が「脱・ヴァイオリン初心者」なのか。
それは、ヴァイオリンが活躍する舞台の裏側で、どんな人が何のために働いているかがわかるからです。
さらに、クラシック音楽の変遷も書いてあるし、ヴァイオリン以外の楽器の変遷・歴史も解説されています。オーケストラがどういう経緯で出来上がってきたのかも書いてある。ヨーロッパ・アメリカ・日本それぞれのクラシック音楽業界の事情についても触れられている。
ホールでの振舞い方も書いてあるんです。楽器の搬入、ステージ上のイス配置、アナウンス音量、お客様への注意事項の知らせ方だとか、ほんとうにこまごまと読み取れます。
だから、脱・初心者なのです。
本番のステージを踏む前に、しっかり読んでイメージしてみてくださいね。ではでは。