父の心。

父は、いま病院で検査を受けている頃だろうか。
私は、お出かけ前の小用を手伝ったのと、父をおぶって車に乗せるところまで。
あとは、他の家族に任せて見送る。
そんな私に、助手席から小さく手を振る父。


出勤など、父が家から出かけるときは、家族で見送りに出たものだ。
父は、いつも決まった場所で振り返って、私たち家族に手を振ってくれた。
昔は口数の少ない父だと思っていたが、
触れ合う時間が長くなると、そうでもないと思えてきた。
母が、父をうるさがるのも理解できるようになった。
いまさらながら、親の子に対する思いというものが見えてきた気がする。底知れない深さだ。

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