「脱・ヴァイオリン初心者」シリーズ
記念すべき第2回は…
~レッスンを24倍活用する方法教えます
です。
高いレッスン料を払っても、ヴァイオリンってなかなかうまくなりません。しゃけの周りの人も、ほとんどがそんなでした。
ところが、早く上達する人もいます。飛びぬけて上手になっていく人がいるんです。そんな人に共通の特徴があります。
上達する人がやっていること
上達の早い人に共通する特徴とは何でしょうか?
それは、
「自分の音を聞いている」
ということです。
本当に、これだけです。
なかなかうまくならない人は、自分の音を聞いていません。
それが、どれくらいもったいないことかと言うと
……たとえば……
・望遠鏡を覗くのに、目を閉じてしまうようなものです。
・ワインのテイスティングをするのに、鼻をつまんでしまうようなものです。
・電話でおしゃべりするのに、耳をふさいでしまうようなものです。
・温泉に入るのに、宇宙服を着たままでいるようなものです。
ばかげているでしょう?
もったいないでしょう?
そこに気づいて初めて、次に進むことができます。
聞くってどういうこと?
さぁ、それでは
「自分の音をよく聞く」にはどうすればいいでしょうか?
あなたもいっしょに考えましょう。
あなたの出した音は、あなたにたしかに届いているはずです。あなたにはたしかに聞こえているはずなんです。ただ、ほとんどを聞き逃してしまっています。細かいところまで気がつくことができません。
それはたとえば、
クルマを運転中に「あっ、KONISHIKIだ!」と助手席の人が叫んで左の歩道を指差しても、振り返ることができないのと同じくらい、情報を取りこぼしているんです。
ひどい例えでしたね(^^;
とにかく、楽器を演奏することに気をとられてしまっているんです。
「楽器の操縦・運転」に気をとられてしまって、音楽の楽しみだとか、仲間やお客さんと分かち合う感動というものとか、とにかく自分が周りの人に何を与えているかに気づけなくなっているんです。
もっと簡単にいうと、楽器から出た音――つまり、自分が作り出した音がどんな音だったのか――を聞くことがおろそかになっているってことです。
ですから、このパニックを防ぐために、克服するために何をすればいいかというと……
演奏することと、
演奏を聞くこととを
別々にやればいい
……ということに行き着くんです。
大事なことなので、後々のためにもう少し噛み砕いておきます。
「演奏」とはなにか、ってことです。
作りたい音を思い描く
必要な準備動作をする
準備動作に応じた音が楽器から放たれるってことになります。
練習というのは、
自分が使用する楽器で、どういう音が作り出せるのかを知悉して、必要に応じて作り出せるようにしておく作業のことです。
さて、話を戻しましょう。
では、あなたは具体的に何をすればいいのでしょうか?
それは、「自分の出した音を聞く」ために、録音をすればいいんです。
聞くために録音してみよう
演奏を録音して、あとで聞く。あるいは、練習を録音して、あとで聞きなおす。
こんな、ちょっとしたことで、あなたの音は見違えてきます。
「嘘だ~!」と思うなら、やらなくても結構です。
でも、しゃけの経験から申しますと、この「録音練習法」は……めちゃくちゃ効きます。
一度やっただけでも、効果が出ます。
すぐ効果が体感できます
そして、語学の習得と同じように、繰り返すほど効き目が加速します。
たとえばですね……
・演奏しながらに、あなた自身の音を客観的に捉えられるようになります。これは、あなた自身の問題点を分析できるようになっていくということです。
といっても、創造的インスピレーションが失われるわけではないですよ。
・自分が表現したいものに対して、手持ちの技術の有り合わせでどこまで肉薄できるか、という追求ができるようになる
ということです。
他の言い方をすると……
・録音しなくてもあなた自身の演奏をリアルタイムに見つめることができるようになります。
・出したい音に応じてどんな準備をすればいいか――これこそが練習の本質――がわかるようになってきます。「必要な技術を身に付ける」というスキルが身につくということです。
しゃけが体験した効能をあげてみましょう……、
・あなたの演奏がアンサンブルに溶けこみやすくなります。
・オーケストラや、室内楽などはもちろん、ソロ演奏でのあなたの表現力がどんどん深まっていきます。
もう一度おさらいすると、
・あなたが独学であっても、
・あなたが素晴らしい先生に師事してレッスンをまじめに受けているとしても、
「録音練習法」を実践することで、あなたの練習の効果が信じられないほどに高まっていきます。
レッスンを録音する場合は、「家で復習するので録音させてください」など、先生に一言断っておいたほうがいいです。でないと、思わぬトラブルになりかねません。
どうやって録音する?
練習やレッスンを録音するには、マイクロフォンとカセットレコーダー、カセットテープがあればOKです。って古いですね。
最近ですとICレコーダーが主流のようです。会議の録音に使うようなものだとコンパクトで楽器ケースに入れて持ち運びが楽チンです。
持ち歩くのがおっくうでなければ、ノートPCもいい選択です。内蔵型マイクがついていれば簡単に音声ファイルとして保存できます。
音質はマイクロフォンに左右されるらしいですが、別売りのマイクを購入するのは内蔵マイクや付属品のマイクを試してからでもいいと思います。
それでは、肝心のICレコーダーをみてみましょう。
まずは…
「下手なバンドまでうまく聞こえてしまうレコーダー」(^^;
KORG
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これはですね、会議や取材のメモ用に物書きさんたちが1つは持っているという持ち歩きタイプのICレコーダーのひとつ。
ところが、このKORGから発売されているMR-1は一味違います。このMR-1で録音した音には、ただのインタビューであっても驚いちゃいます。すっげいリアルなんです。
リアルさの秘密は、SACD(Super Audio CD)という、高音質CDレベルに迫る音質での録音を実現しているんです。というわけで、繊細なアコースティックサウンドの代表格、楽器の女王様であらせられるヴァイオリン陛下の御音声をいつでもどこでも収録するにはぴったんこであります。(だんだん悪ノリになってきた~)
近ごろ流行の、ハイビジョンなビデオカメラは、旅行先の風景を録画してくるだけで自宅にいながら旅先での感動を超絶に再現してしまうというくらいですから、それに似た感動を生む力が、このレコーダーにはあるのかもしれませんね。
この高音質を謳うKORG MR-1は録音媒体がハードディスクです。
……あっ!! ICレコーダーじゃないですね(^^; ハードディスクの回転による振動が録音のときにノイズ(雑音)として録音されることを避けるために、外部マイクを接続しなければなりません。そのためのマイクが付属しているとはいえ、録音のつどマイクを接続して、位置を決めて…というのはわりとめんどくさいことであります。
というわけで、マイク内蔵型で、正真正銘のICレコーダーをみておきましょう。
仲間うちでも使っているのがこれ、Roland社 EDIROL R-09です。
ローランド 2006-04-28
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ヴァイオリンの楽器ケースに入れるには少し大きめです。小型のシステム手帳くらいはあるかな…。でも、とにかく音質はいい!
そう言っても、良い/悪いは主観的な判断になるのでね。ただ、話題になっていることは確かでして、いまでも売れているようですよ。
Roland社のバンドマン達が、自分たちで使うためにあれこれ工夫を盛り込んだという開発の伝説が効いているのかもしれないですね。
たくさんレビューが書かれているので、EDIROL R-09が気になるかたは一読の価値がありますよ!ここではそのいくつかを紹介しておきますね!
レビュー
⇒小寺信良の週刊「Electric Zooma!」第261回:地道に録音ブームを支える、EDIROL 「R-09」~ 「気軽に高音質」はどこまで本物か~
レビュー(PR記事)
⇒スタパ斉藤「これって、音のデジカメじゃん! Roland -EDIROL R-09-」
あと、これはちょっと毛色の違う記事。
レビューなんだろうけど、R-09実際に使ってみたルポルタージュの連載記事ね。「こんな使い方ができるよ~ん!」って感じです。
⇒ローランドの「EDIROL R-09」と行く “生録”全国ツアー2006
最後に、公式情報。
公式情報
⇒Roland「EDIROL R-09」製品ページを見る
いっぽう、ビジネスマンが使っている会議用ICレコーダーは一般的にはこういうタイプだそうです。
オリンパス 2011-06-24
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比較のポイントは…
・サイズ、重量
・マイク(内蔵有無、外部マイク接続方法)
・電源
・電池での録音可能時間
・録音の再生方法、バックアップ方法
・マイクスタンド、カメラ三脚への固定方法
などがあげられます。
まとめ~レッスンを活用しまくるために
いやー、すっかり脱線してしまいました(^^;
レッスンをどう活かすのかという本題に戻りましょう。
レッスンの会話内容さえ録れればいいなら、
・録音可能時間
・サイズ、重量
だけ気にすればいいでしょう。
MDで通常モード録音するのと同等以上であれば、楽器の音色に関しても、先生と自分との演奏の違いを思い出すきっかけくらいは得られます。
どんな機材を使う場合でも、事前にじゅうぶん録音の段取り(機材のつなぎ方、録音の開始・終了方法、電池の持ち時間など)をしっかり練習しておきましょう。
録音の準備・片付けに手間取るようだと、レッスンをしてくださる方や、次の受講生に迷惑をかけることになってしまいますからね。
せっかく録音したら、なるべくその日のうちに「テープおこし」をします。(カセットテープの録音を元に文章を書き起こす、ってところからきてるとはいえ、いまどきテープって見ないですよね)
「テープおこし」では、レッスンの流れ・要点・そのとき気づかなかったアドバイスなどをメモとして書き出していきます。
レッスンにかかった時間以上の時間がかかることもありますが、この作業によってレッスン内容が生々しく記憶されます。
こうして作ったレッスン・メモを参考にして、セルフレッスンを繰り返していきます。メモを見なくても、自分で注意事項を思い出せるようになれば、その回のセルフレッスンは卒業としていいでしょう。
こうして、先生から受けた1回のレッスンを、セルフレッスンによって徹底的に何回も受けなおすんです。自分のなかに、先生を作り上げていく作業ともいえます。
「もうひとりの先生」が出来上がってしまえば、晴れて免許皆伝になります(なるはず!?)
余談になりますが、レコーディングが終わったと見るや、裏話的な面白いネタを教えてくれる先生もいますから、そういう話などは録音でなく、あとで日記にでもメモ書きして残しておきましょう。先生の伝記を書くときに役立つかも?!
それではまた。