バラ園 お花見コンサート(その2)

先日書いたエントリー[バラ園 お花見コンサート]の続きを書いてみようと、ふと思いたったので書いてみよう。みよう。
コンサート会場は、明海の丘公園という公園の中にあるバラ園。って言うのは前回書いたとおり。
ただのだだっ広い広場ではない。名のとおり丘のある公園なのです。すばらしー。うちの近所には「●●緑地公園」という名の、河川敷を整地した、子どもの遊ぶ広場兼ゲートボール場という福祉施設っぽさ満点の公園があるばかりです。ああ、テニス場が隣接してますね。それでも、うらやましいなと妬むわけです。
バラ園なんてものはなく、桜の木が公園を囲う格好で植えられていますので、季節によっては宴会が行われまして、しかも、近隣の公団住宅に配慮しつつ観桜会をつつましく行う嗜みなのでございます。市内でも有数の隠れ場的お花見スポットです。
ああ、本題から外れてしまいました。
バラ園でのお花見コンサートですね。
初見楽譜の攻略や、気まぐれな風を味方につけるべく奮闘に奮闘を重ねて、いつもとは違う疲労を感じながら無事終演となったわけです。ありがとうございました、ぺこり。
と、背後から忍び寄る気配。身構えるワタクシ。
「バイオリン、さわらせてください」
と、かえりみれば女の子が二人。ワタクシに、いや、私の手の中にあるバイオリンに熱いアツ~イ視線を注ぎこんでいるのです。
(あら、どうしましょう……)
と、一瞬たじろいでおとまつさんに助けを懇願すべく……とかなんとか思っているうちに、
「どうぞどうぞ、さわってごらん。ウールだよ」(古いなぁ。しかも、『ウールだよ』なんて言ってないですから)
実際に、バイオリンを持ってもらい、即席マンツーマンレッスンの始まりはじまり~。楽器を構えて、弓を持って……、おそるおそる音を出そうとする彼女。
初めて音を出そうという、まさにその瞬間。彼女の顔は、夕日に照らされて、どんな映画の女優さんにも負けないくらい真剣な顔になっていました。
エイヤッと音を出すと、とたんに緊張がはじけたのか、自分で出した音に苦笑いしていましたね。最初は、本当におどおどしていたけれど、ワタクシが手をとって弓を動かすお手伝いをしてみると、喜びと驚きという素直な感動が、つやつやとしたみずみずしい音色となって響きました。うれしかったなぁ。
そんな私の後ろでは、おとまつさんが《ベト7》の1フレーズを奏でています。どうやらリクエストがあったようです。
「バイオリン、さわらせてください」
と声をかけてくれたこと。その情熱が、勇気が、ワタクシの胸の中にくすぶっていたものに再び火をともしてくれた。
僕も素直になろう。

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