いきつけの美容師Mさんから一枚のハガキがきました。退職の挨拶でした。
はじめて美容室に髪を切ってもらいに行ったのは、いつだったかな。手元のカードの発行日からみると3年前だったんですね。
ボクが美容室に行き始めた理由
なんでボクが美容室に行き始めたのか。それは、「いまのままじゃヤバイ!」という危機感からでした。変化を求めて美容室へ行ったんです。そして、そのきっかけをくれたのは、3年前の当時、職場の同僚だった、S女史でした。
美容室通いの後押しになったこと
現状への危機意識
S女史はボクよりも年下でしたが、ズバズバと言いたいことを言ってくれました。
いちろーたさん、それじゃ女子にもてないよ。
職場の女子、ワタシだけだからつまんないかもしれないけど、もうちょっと自分の容姿に気を使ってみたらどう?
そうねえ……、せっかく髪を切りに行くんだったら、この際、美容室に行ってみたら?
店選びで迷う
このとき思い浮かんだのが、近所の先輩Kさん(アラフォー男)からもらった美容師Mさんの紹介カードでした。
いちろーくん、この美容室知ってる?
すごーっくいいんだよー。行ってみてみー。
関西弁のK先輩の声とともに、この紹介カードをくれた時のことが妙にナマナマしく蘇ってきました。で、予約の電話して行きましたよ。
どう頼めばいいか迷う
どんなふうに切ってもらえばイイか、なんと言えばいいかわからなくて「美容室初めてなんです」「どうお願いしたらいいですか?」「短いほうが好きです」「耳とか目にかかるのは嫌いなんです」「爽やかに見えたら嬉しいです」などなど会話したのを思い出します。
周囲からのフィードバック
職場のパートさんたちは、ボクの変化に敏感でした。「あら、髪変えたんだ」「いいね、若くなるね」「じょうずな人にやってもらったんだね」などなど。女性の観察眼は、身辺のごくわずかな変化をみつけるんですねー。
さいわいなことに、ネガティブな事をいう人がいなかったので、数ヶ月に一度ではありましたが美容師Mさんを指名して通うようになったのでした。
美容師Mさんからのお手紙
ボクを担当してくれたMさんからのお手紙には、こんなことが書いてありました。
いちろーたさんは、やりたいことを追いかけていて、すごくかっこいいなって思います。
私も今こうして退社するのは恐れ多いですが、諦めずに目標に向かおうといちろーたさんの話を聞いて思いました☆
ステキな時間をありがとうございました。
……前回髪を切ってもらった時のことを思い出しました。
ボクがバイオリンを教えていることを知ったMさんにボクが答えたのは「バイオリンを教えることで、音楽を奏でる楽しみをもっと身近なものとしていきたいし、それによって、生きることが楽しいなって思える人が増えたらいいなと思っている」みたいなことでした。「Mさんは、なぜ美容師をやっているの?」そんな思いを抱きながら語っていたかもしれません。
Mさんに髪を切ってもらう、アタマをいじってもらう、セットのしかたを教えてもらう……その時間は楽しい時間でした。なぜ楽しかったのかなあ。いま思うと、ヘアスタイルを気にすることが、自分で自分を大切にするだけでなくて、ほかの人とのコミュニケーションを大切にすることにもつながるんだと気づかせてもらえた……だから、楽しかったのでしょうね。
Mさん、ここを読むことはないかもしれないけど、いつかまたお会いしましょうね。夢が叶いますように。