低収入でも貯金する方法とは

I君とともに、地域の友人を訪ねる。みな留守。
I君は、夕食がまだだというので、我が家でスパゲティを振る舞うことにした。
レトルトのソースに、トマト缶・バジル・オリーブオイルを加えて煮る。これを茹であげたスパゲティーと和えるのだ。鷹の爪と黒こしょうも入れてあるので、なかなかホット&スパイシーな仕上がりとなった。
二人してマンガを読みふけっていたのだが、いつのまにか収入と貯金の話になった。
「I君が毎月10万円貯金できたとしよう。5ヶ月で50万円になる。毎月5万円だとしても、半年で30万円になる」
「でも先輩、いま5万円も貯金に回せない。まして10万円なんて……」
I君、なかなか頑固である。
「I君、きみは何にいくら使っているか、わかっている?」
「先輩、それが不思議なんですよ。もらっている給料のわりには、毎月消えてなくなっちゃうんです。」
「I君、財布が空になる度に、ATMでお金をおろしているんだね?」
「うっ……」
「図星のようだね」
こんな調子でI君は、貯金らしい貯金をできずにいるのだという。I君は現在会社が借上げたアパートに暮らしている。3年後には退去しないといけないそうだ。そのときまでに、引っ越し資金を貯めねばならないのだという。
I君にとっては貯金を始めるのにちょうどいい動機付けである。
「I君、まずは毎月10万円貯金すると決めてしまうことだよ。余ったお金で生活する方法を考えるんだ。」
「先輩もずいぶん無茶言いますね」
「どうしても無理というなら仕方がないね。百歩譲って、5万円でいい。まずは、覚悟を決めてちょうだいね」
「毎月5万円なら、やってみようと思ってたところですよ。で、次は何をすればいいんですか?」
「本当に覚悟できているのかなぁ。まぁいいや。次は、お金を何に使っているかを調べるんだ」
「げっ!……めちゃくちゃめんどくさそうですね」
だから覚悟してくれって言ったのに。
I君は、光熱費・食費については、毎月これだけかかっているという金額を計算したことがあるのだという。それなのに、予想以上にお金を使い込んでしまっているのだ。
I君には、お金を使ったら記録することだ、と教えた。
ケータイのメモ機能でもいいし、ポケットサイズのメモ帳にミニボールペンをくっつけてもいい。とにかく、お金を使ったら、金額の大小をとわず、メモに書き出す。これを習慣にするのだ。
お金持ち指南書はたくさん出ているけど、結局のところ

お金のないところにお金は集まらない

ということが大原則なのだ。
だから、最初にすべきことは「お金が集まってくるためのお金」をつくることなのだ。

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