脱・ヴァイオリン初心者~ピチカートで豊かな響きを生むには?

Violin上達しよう

今回はピチカートの話です。
(pizzicato、ピチカート、ピツィカート、ピッチカート、ピッツィカート…ここではピチカートってことにしておきます)

二本指でピチカートのトレモロをしちゃうのがこのラカトシュ魔人

ピチカートとは、弦を指で弾く(はじく)奏法のこと。
バイオリンの弦を弓で擦るのではなく、ギターやウクレレと同じようにはじくんです。

バイオリンのピチカートで音をうまく出すコツって何でしょう?
指と弦との触れ方・離れ方が大事です。

▼まず、ロビー・ラカトシュお得意の2本指トレモロ。動画中盤で登場。

 

▼チャイコフスキーの交響曲第4番から第3楽章。弦楽器はこの楽章のすべてをピチカートしまくります。

実験:ピチカートで遊ぶ

ご自分の楽器を取り出します(この実験で弓は使わなくてもいいです)

・弦の中間地点(=上駒と駒との中間点)をはじく
・駒のすぐそばをはじく
・もういちど弦の中間地点をはじく

・他にもいろんなところを、はじいてみる
なにを感じましたか?

――出てきた音は何かかわりましたか?
――感触はどうでしたか?
他の実験もやってみましょう…
・いつもと違う指を使う
・一方向にハジくだけでなく、往復させてハジく
・はじくのを右手でなく左手に変えてみる
・手の指以外でハジく(爪、足の指、鉛筆の軸、ハンカチ、定規、ギターのピック…)
・構え方を変えてみる(楽器を机に置いてはじく、首の後ではじいてみる……)
なにを感じましたか?

――出てきた音は何かかわりましたか?
――感触はどうでしたか?
もうちょっと遊んでみましょう…
・指先の動きだけ、それ以外を固めてハジく
・手首の動きだけでハジく
・肘の動きだけでハジく
・肩周辺の動きだけでハジく
・脊椎の動きだけでハジく
などなど……

いろんな可能性を探ってみましょう。

ハジくのはどこ……?

弦をはじくときに、駒からどのくらい離れたところをハジくのがよいのでしょうか。

どこをはじくと、どんな音になるのか。
自分なりのデータをいくつも手に入れておくと良いと思います。

ハジく場所が違えば音が変わります。

この、音を作り出すときに接触する弦上の1点を「サウンディング・ポイント」といいます。
「サウンディング・ポイント」とは、英語「Sounding Point」をカタカナにしたものです。

「サウンディング・ポイント」は、単に「弦上の1点」という意味ではありません。
「欲しい音を作り出すきっかけを与えるための点」であり、「原動力となる源泉」でもあります。

弓を使った奏法でも同じことです。
左手の運指や弓からの働きかけによって刻々と変化する「サウンディング・ポイント」を全身でで捉え続けることが必要です。

弦との触れあいかたが、音を決定づけます。
ぜひ探求してみてください。

 

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