機能性から演奏会の衣装を考える~インナーを使い分ける

Violin上達しよう

演奏会の衣装での困りごと……

「スポットライトが熱い!」
「シャツもズボンも汗でびしょびしょ!」
ステージ衣装には一定の制約があるんですよね。
・ステージ照明が熱い
・ドレスコードを守る(たとえば燕尾服とか略礼服スタイルとか)
・着替えには一定の制限がある(休憩時間とか、曲の合間とか、荷物の量とか)
自分で何とかできることには、どんなことがあるでしょうか?

というわけで、どんなモノを着ればステージ上で快適に演奏できるのかを考えてみましょう。
・重ね着の基本原則を知る
・適切な素材を選ぶ

◎肌着はキープドライ!

かつて「肌着は汗を吸うものが良い」とされていました。
しかし、過酷なアウトドアスポーツの世界から静かに変革が始まっています。
肌着はキープドライ
これが新しい考え方です。
ステージ上でライトを浴びながら交響曲を30分以上も演奏し続けると、ずいぶん汗をかきます。べたりと貼りついた肌着は、それ以上の汗を吸わず、楽器演奏する体を動きを妨げることにもなります。
かいた汗を、肌から素早く引き離してくれるものを肌着に選びましょう。
◎快適な重ね着のため大事なこと
・汗を肌から離す
・肌に汗を戻さない
この2つがキープドライの要素です。
肌着が引き離した汗を、肌着のすぐ外側の着衣が吸い取るようにします。
肌に触れるのは、いわゆるドライ素材のものを選ぶ
その上には、吸湿性の高い素材を多く含む混紡のものを選ぶとよいみたいです。
いくつか繊維の特徴について代表的なものを書くと…
●綿…吸水性が高く、乾きにくい。濡れても丈夫。
●麻…滑らかで、冷感がある。シワになりやすい。
●レーヨン…吸湿性・吸水性が高い。濡れると強度が低下。
●ナイロン…吸湿性・吸水性が低い。引っ張り・折り曲げに強い。
●ポリエステル…吸湿性・吸水性が低い。型くずれしづらい。

繊維の特徴/衣類の豆知識
衣類はいろいろな素材を組み合わせて作られています。 衣類がどのような繊維から作られているかを、把握することがとっても大切です。 …
参考サイト

手持ちの白シャツをいくつか見比べてみてください。
生地がどんな繊維で出来ているかはタグにかいてあります。
見た目は同じようなシャツでも、繊維の混紡の比率の違いや、糸の細さ、織り方などの組み合わせ方によって着心地がずいぶんと変わります。
▼たとえばこれ。着用したときの締めつけ感があるので、そのせいで暑く感じることもありますが、汗によるベタベタ感はなくなります。綿の混紡率が高いワイシャツの下にこれを着ると、なかなかいい感じです。
by カエレバ

もう一つだいじなのは、下半身。長時間の座奏では、衣装に汗がべったりすると不愉快極まりないわけで、「ステテコ系」のものを着ておくだけで快適さが違います。
▼冬シーズンの自宅との往復や、会場が寒い場合はこれを着ます。
by カエレバ
例えば冬場には会場と自宅の往復ではホットマジック等《吸汗発熱素材》を着ておいて、リハーサルなどで体があったまったところでクールマジック等の《吸汗速乾素材》に着替えるというのが僕の着替え方です。
どちらも《前開き》をオススメします。
▼本番中はこれ。衣装の生地に汗を吸わせないために、夏場でも着るようにしてます。
by カエレバ

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