【弦をこする】ために何をすればいいか~バイオリンを鳴らすために必要なボウイングの極意

いちろーです。こんにちは。

あらためて、バイオリンを鳴らすために必要なことを考えてみましょう。

それは【弦をこする】ということです。
今回考えるのは、
【弦をこする】ときに、奏者にできることは何か?
です。

音を出すという観点では弦を指でハジく奏法もありますが、今回は、こすることに着目します。※指でハジくピチカート奏法についてはこちら→脱・ヴァイオリン初心者~ピチカートで豊かな響きを生むには?

バイオリンを鳴らすために何が必要でしょうか?
ここで、何故【こすること】に着目するのかを復習しておきます。

もしも「バイオリンの弾き方を教えてください」と言われたら
生徒さんに、何と言いましょうか?
――弾きたい弦に、弓の毛を当てて、こすってください
これで、音が出ます。
これだけです。
他には、いらないんです。
これだけで音は出ます。
音色を探求してゆくならば、こすり具合を検討してゆくことになるでしょう。
しかし、音を出すということを達成するためには
「弦と、弓の毛をくっつけて、こする」
これで必要十分です。
……ここまでのことが、前回の記事でも書いたことです。

弦を弓でこすることが音が出るために必要な労作業であることはわかりました。

では【こする】を実現するために、何が必要なのでしょう。

奏者にできることは何でしょうか?
・弓を弦に向かわせる
・弦を弓に向かわせる
この二つの方向があります。
身体に即して言うと、次のような分担といえるでしょう。
・弓を弦に向かわせる(右腕=弓を操る)
・弦を弓に向かわせる(左腕=楽器を操る)
右腕と左腕の協調作業の結果として【こする】が実現します。
右腕・左腕が自在に動き回るために、
首をはじめとして、脊椎など体全体がはたらいています。
したがって、この全体の協調性を高めていくことが上達の鍵となっていきます。
話題を【こする】ことに戻します。
【弦を弓の毛でこする】と言ったとき、多くの奏者は右腕を思い浮かべます。
忘れられがちなのは左腕です。なぜでしょうか?
それは、左腕は、右腕よりも多彩な役割を担っているからです。
バイオリン演奏における腕の役割を大まかに書きだしてみましょう。
<右腕>
・弓を持つ
・弓を動かす
<左腕>
・楽器を持つ
・フィンガリング(指先で弦を押さえる/離す)
・シフティング(指先を適切な場所に位置づける、ポジション移動)
右腕は、弓を操ることが専門です。
左腕は、楽器を支えるだけでなく、指先の運動をサポートする必要もあります。
楽器のバランスを確保しつつ、指先の自由を確保する必要があるのです。
【弦をこする】ときには、弓から弦に向かってゴリゴリやったなら、
反対方向の力で対抗する必要があります。
弦を弓の毛に向かわせるのです。
つまり、楽器を持ち上げる。
……長々書いてきましたがそういう事なんです。
楽曲の演奏中には、左腕が楽器を支える仕事をしづらくなる状況も頻繁に発生します。
でも、どんな状況であっても通用する基本的なアイデアは
【弦と弓の毛を、くっつける】
……と思ってみてください。
あとはあなたの経験が自動的に【くっつける】ためのことをやってくれます。
お試しアレ。
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