こんにちは、いちろーです。
ヴァイオリンの弦が切れたとき、何をしていましたか?
ちょっと思い出すようにしてみましょう。
弦が切れるというアクシデントは予防できるかもしれません。
そのときに何をしていたでしょうか?
周囲はどんな状態でしたか?
じつは、つい先日、弦楽器の初心者グループの練習にお邪魔してきました。
この日は、ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスが1名ずつ参加していました。
ちょっといつもと様子が違うことに気づきました。
チェロの弦が一本切れていたのです。
一番太いC線です。
切れた時の事を思い出そう
チェロのTさんにお聞きしました。
何をしていて切れてしまったんですか?
――楽器ケースを開けたら、弦が緩んでいたのでチューニングをしていました。チューニングのためにペグを回していたら切れてしまいました。
これ以上のことは、本人に聞いてもわかりませんでした。
・切れる寸前に、音の高さはどのくらいだったか
・ペグで弦を張り詰めていったときなのか、緩めていたときなのか
弦が切れた原因を考えてみよう
部屋にはエアコン(暖房)が効いていて、弓の毛は張り詰めていました。
楽器が保管してあった倉庫は屋外同様に冷え込んでいました。
楽器ケースは密閉度の高いハードケースでした。
楽器にとっては、急激な環境の変化はつらいものです。
冷たい倉庫から暖められた部屋に運ばれてきて、密閉された楽器ケースから取り出されたりすると、温度や湿度の急激な変化に順応しきれないことがあります。
弦のトラブルを予防するためにできることは何だろうか?
屋外から室内へ持ちこんだ楽器ケースを開けるときは慎重に。
・雨の日に、冷房や暖房などで除湿された部屋に入ってきたとき
・寒い日に、暖房で温まりきった部屋に入ってきたとき
・炎天下から、冷房で涼しくなった部屋に入ってきたとき
ケースの表面が部屋の温度に馴染んできたかな、という頃合いを見計らってケースを開けると良いでしょう。
人を待たせているときは慌ててケースを開けてしまいがちですが、ちょっとだけ想像してみてください。
中にある楽器のことを思ってみてください。
どんな様子でケースに入っているのか。
どれくらい冷えているでしょうか?
どれくらい暖められているでしょうか?
慎重になりすぎる必要はありませんが、ちょっとだけ思ってみてください。
それだけでトラブルが激減しますよ。
最後に……
切れてしまうのには必ず原因があります。
・老朽化
・適切な張力を超えて、張り上げすぎた
・駒やペグなどの不適合
などなど。
切れた弦を捨てずに、楽器とともに楽器屋さんに見せに行くと、弦が切れた本当の原因を究明しやすくなります。
切れたのは弦のせいなのか、楽器のせいなのか。
それとも、切ってしまった本人の扱いのせいなのか。
切った人のどんな扱いのために弦が切れてしまったのか。
ご参考までに。
これ1冊ですべて分かる 弦楽器のしくみとメンテナンス―マイスターのQ&A
佐々木 朗 音楽之友社 1999-10-01
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