「何を教わればいいかわからない」~学び始めの一歩の踏み出し方

こんにちは。いちろーです。


私の古くからの知り合いであるI君は、ヴァイオリンが大好き。
ある縁があって、何となく好きだったヴァイオリンを自ら演奏するようになりました。

あるレッスンでのこと。いつものようにI君は言います
「何に困っているのかが、よくわからないので困っている」と。

I君は、いつもこんな事をいうので言われる私としては、ほんとうに困ってしまいます。
でも、この「何が困っているかがわからない」と口に出して言えるのは、素晴らしいことだと思います。

さて、I君のレッスンの1シーンを紹介しましょう。


どんなことに困っているのかな?
――(長い沈黙の後に)何に困っているかがわからない。

いいね。面白いよ。
――いやいや、面白さがわからないんですけど。

早速、始めよう。どうぞ。
ーー(バイオリンを構え、音を出そうとする)

面白いね!
いま何が起きていたか、わかる?
――(えっ?まだ何もしてないんだけど?)



この後、I君は、楽器を構える際に「しなくてもよい動き」をしていたことを指摘されました。
その余計な動きは、ひとつではなく、いくつかありました。

例えば、弓で弦をこすり始めるために、「腕を余計に持ち上げて」から、「行き過ぎてしまった分」を取り戻すために弓を楽器の方へと近づけていたんです。

そして、その動きには原因がありました。
I君が自分では気づいていなかった体の使い方の癖があったんです。

「体の使い方は、これが理想的だよ」
ということを、I君は本で読んで知っていたのですが、実際に出来てはいませんでした。
やったつもりになっていただけで、本当に分かってはいなかったんですね。

I君は、その日から新しい習慣を身につけるための練習に取り組んでいます。
苦労しているようですが、「楽器の練習をするのが今までにないくらい楽しい」と言ってくれます。

I君の旧い習慣は、楽器を構えるたびに積み重ねていた習慣です。

だから、無駄を省いた新しい習慣を身につけるには丁寧な練習を積み重ねる必要があります。

一回一回の積み重ねごとに新しい発見があると言っているI君の姿は私にとって、なによりの良い刺激です。 

 
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