3.11 演奏会、そして、師匠との思い出

 2012年3月11日

松戸森のホール21での演奏会。
オール・ベートーヴェン・プログラム。
「レオノーレ」序曲第3番
ロマンス第2番
交響曲第3番
オーケストラをやってきて、20年以上にもなって初めて、コンサートで配布する冊子に曲目解説を書いたことが今回の記念碑。
感謝と後継の決意を込めて綴った曲目解説でした。
ソリストは、わが師・宮下先生。
手ほどきを受けたころから、なにも変わらない。
むしろ、ますます意気盛ん。
今でも覚えているのは、世田谷区内のとある練習会場でのグループレッスンで
ゴセックのガボットを見ていただいたときのこと……
参加者があまりにも弾けないので、先生が私のバイオリンを奪いとって
「こうやってひくんだよ!!!!」と、弾いてくれたことがあった。
(この楽器から、こんな音が出るのか……よし、頑張ろう!)
って思ったのが、今も原動力になっている。
高校1年生の夏、楽器を手にして最初の3日間を集中的に連続レッスンしていただいたときのこと。レッスン中の、忘れられない言葉がある。
―毎日5分でいい、楽器にさわるんだよ。
 できれば朝がいい。
 でも、きっとみんな忙しいだろうから難しい時もあると思う。
 そんなときは、楽器ケースを開けて「おはよう、行ってきます!」だけでもいいんだよ―
そして、楽器を初めて2年目。
後輩を迎えての練習の時。
このときは、新宿区内のとある大練習場の片隅に集まってのレッスン。
アップライトピアノの前で、先生に叱られた。
「ファーストバイオリンは、ひとの10倍練習しなさい」
「誰が聞いても、間違いがわかるものなんだよ!ひけて当たり前なんだよ!」
…いま思い出しても、身の毛がよだつ。
そんな師匠との共演が叶った。ソリストと伴奏という形で。
開演前の舞台袖、先生は私を見つけて声をかけてくださった
「曲目解説、すばらしいね!感動したよ」
師匠ってありがたいものです。
(2012年3月27日下書き、5月12日公開)
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