「いつかはバッハ」では弾けない~今日から始める憧れの無伴奏

無伴奏ヴァイオリンのための楽曲はいろいろあります。バッハ、イザイ、……。ヴァイオリンひとつで演奏すれば何でも無伴奏になっちゃうんですけどね。
YP40 バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
YP40 バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
モーリス・ジャンドロン
これを読んでくださっているあなたも「いつかは人前で演奏をする!」と思って練習に励んでいらっしゃることと思います。せっかくなので、「いつかは」ではなく、「今度の週末に演奏を聴かせよう!」と決めてしまうのもひとつの方法です。間違いなく上達します。
先生の下に定期的に通うレッスンの、最大の効能は「締め切り効果」です。次のレッスンのときまでに仕上げていかなかったら、容赦なく罵声を浴びせられるのです。人格を破壊されるがごとき批判を浴びせられることでしょう……いや、それは言い過ぎですよね。
ともあれ、家族や友達、恋人のために無伴奏での演奏をやれるようにするのをひとつの目標にするのが、上達スピードを目覚ましいものにします。
私の後輩の体験談ですが……楽団に素敵な異性が入団してきまして、合宿の最終日に開かれる発表会でイイトコロを見せたいばかりに、凄まじい集中力で練習をしました。……結果はご想像通り、素晴らしい演奏。思いが通じたかどうかは知りませんけれども。
もし、あなたが「いつかは演奏してみたいあの曲」を胸に抱いているなら、楽譜を入手することをお勧めします。演奏会を探して出かけるのも素晴らしいと思います。
やりたい曲に出てくる楽語を調べることも大変結構です。作曲の背景や、当時の食文化や服飾の流行を調べてみるのも面白いことです。
とにかく、今できることを探して、行動に移しましょう。
YP40 バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
YP40 バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
モーリス・ジャンドロン
「憧れのバッハ無伴奏……、リサイタルをやるんだ」
私は、そんな思いつきからこの楽譜を買って、少しずつ自分で読み始めたんです。
この楽譜、ベーレンライター原典のライセンス版です。私がこれをかったのには、理由が2つあります。
ひとつは安価であること。その気になれば、この楽譜をそのまま演奏に使うことができます。
もうひとつは、原典版であること。出版されているバッハの無伴奏の楽譜は、ほとんどが著名な演奏家による注釈つきです。ここでいう注釈とは、演奏の上でボウイングやフィンガリングをどのようにするのがいいかという書き込みのことです。
原典版には、この「注釈」が全くないのです。バッハが書いた楽譜から、自分で考えて演奏を組み立てる必要があるんです。まっさらな状態から、この「演奏を組み立てる」というプロセスをやりたくて、原典版をいきなり買ったのです。
それが正解だったかどうかは、わかりません。けれど、まっさらな原典版の楽譜と向かい合ったことで、私は忍耐力というものを磨くことができたように思います。
▼ちなみに、最も衝撃を受けた演奏はこれ
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
シゲティ(ヨーゼフ), バッハ
▼好きな演奏はこれ
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全曲)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ(全曲)
メニューイン(ユーディ), バッハ
▼こんな演奏もできるのか!とため息の出た一枚(2枚組だけどね)
バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ(全6曲)
バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ(全6曲)
シェリング(ヘンリク), バッハ
でも、無伴奏に興味を持った本当のきっかけは “Ken AISO”が演奏したイザイの無伴奏。生演奏だったんでね。

タイトルとURLをコピーしました