脱・ヴァイオリン初心者~上手なピチカート(pizzicato)豊かな響きで鳴らすには

今回はピチカートの話です。
(ピチカート、ピツィカート、ピッチカート、ピッツィカート)

ピチカートとは、弦を指で弾く(はじく)んです。
弦を弓で擦るのではなく、はじくんです。
ギターやウクレレのように。

ピチカートを迎え撃とう!

ピチカートは、突然やってきます。楽譜のなかに、突然現れます。しかも、たいてい、何の前触れもなく「いきなりピチカート」なんです。予測しておかないと失敗します…!(ひぇえええ)逆に言えば、分かっていれば怖くない!

ごくまれに、オーケストラの弦楽器が全員で揃ってピチカートをやることもあります。管楽器の極上のハーモニーがまさに消えようとするその瞬間、お客さんも、固唾をのんで見守っているそのときに、全員で狙いすまして「ポンっ」って。幸せ……。
あとは、ひたすらピチカートが続くってのもありますね。交響曲の楽章丸ごとひとつひたすらピチカート。速いパッセージもまるでギタリストのように、びしびしストロークを決められたらと思うとゾクゾクします。

で、忘れた頃に弓を持つんですね。
慌てていて、うっかり弓を床に落としたり、ひどい人になると客席まで飛んでいっちゃって。お客さんに弓を拾ってもらう人がいるとか、いないとか。

そんな、魅力いっぱい(?)のピチカート。「ピチカート歓迎!」「ピチカート上等!」「ピチカートいつでも来い!」「ピチカート恐るるに足らず!」「ピチカートなんぼのもんじゃい!」という心境を越えて、「ピチカート キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ポニョロン♪」というところまで行ってみたいものです。

ピチカートのコツ……?

バイオリンのピチカートで音をうまく出すコツって何でしょう?
バイオリンに似た楽器……アコースティックな弦楽器……いつも必ずピチカートしている楽器……ハープはどうでしょうか?ヒントになりませんか?

ハープを思い浮かべてみましょう。「あること」に気づきませんか?……形の特徴……くびれ……ハープで「びろろろろろ~ん♪」とグリッサンドしてるところを思い浮かべてみましょう。自分でもその気になって、手を伸ばして…奥から手前に、「びろろろ~ん」…もういちど、「びろろろろろろ~ん」…

腕全体を使おう

このときの、腕全体の動きはどうでしょうか?いちばん遠い弦まで手を伸ばすでしょ「よっこらしょ!」そこから、軽く下向きの弧を描くように撫でるように…最後は耳の後ろまで腕をかき上げます。ちょうど、耳にかかったさらさらヘアーを、耳の後ろにかきあげる感じですね。まぁるく撫であげるんです。優しく、しかし力強く。指先だけの仕事じゃないですね。

指先が動きをリードするんですが、指先をどう動かすかは腕全体の連携です。ハープの上にある「くびれ」と同じ動きになるように思えます…だいたいですが。人間が、無理のない動作できれいな音を出せるように形を追求した結果が、ハープのあのデザインなのではないかと…こじつけですが。

どこをハジくのか…?

ハープのデザインの事と、腕全体の動きのことを書きました。要するにですね、「ある一定の音を出すには、弦の長さ全体から見てある一定の比率の場所あたりをはじけ」ってことを言いたかったんです。

ピチカートをあれこれ実験してみる!

さぁ、実験というか遊びのつもりで読み進めてみてください。
ご自分の楽器を取り出せるようなら取り出してみましょう。この実験に弓は不要です。

まず、弦の中間地点をはじきましょう。つぎに、駒のすぐそば。最後に、もういちど弦の中間地点を。

なにか感じましたか?感触はどうでしたか?出てきた音は何かかわりましたか?

自分だけの音の引き出しを作ろう!

はじく点は、駒からどのくらい離れるといいのか。どこをはじくと、どんな音になるのか。自分なりのデータを手に入れてください。弾く場所が違えば音が変わります。

大切なのは、1点欲しい音を出すために、何をコントロールすればいいかを知っていること。これだけです。

ピチカート奏法に必要なこと

そして、ピチカート奏法において音が生まれるために必要な要素はなにかというと、指と弦との触れかた/離れかたです。これが、バイオリンのピチカート奏法の上達の鍵を握っているといえます。

◆この記事を元に補足した記事を書きました
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