【ヴァイオリン演奏・超入門】ボウイング基礎・まとめ(スルポンチチェロからスルタストまで)〜《位置と角度》を使い分けて表現力をアップしよう

Violin上達しよう

公園でバイオリンを演奏するいちろーたの写真

 今回は、ヴァイオリン演奏をするときの弓の当て方の仕上げ編《位置と角度》の話です。前回までに駒からの距離を使い分けるための話をしてきました。今回は、その続きとまとめです。

 この《ヴァイオリン演奏・超入門》シリーズでは、プロ演奏家にとってはあまりにも当たり前すぎて市販の教則本には書いていないようなことや、じつは書いてあっても読んだ人がその大事さに気づかないようなことを取りあげています。

弓の当て方〜駒からの距離(後編)

 ボウイング(Bow-ing、弓づかい、運弓)を練習するときに、まず気にするといいのは、駒からどのくらい離れたところをこするのか、を考えることです。

【バイオリン演奏・超入門】弓を動かす右手のために知っておいて欲しい《弓を弦にどう当てるか》というおはなし | 【バイオリン応援団】いちろーたのブログ
1. スル・ポンチ・チェロ 2. ハード・ポジション 3. ノーマル・ポジション …
駒からの距離(前回の3つ)

駒からの距離、残り3つ

 6種類のうち、前回説明しきれなかった3つを説明します。区別するために名前をつけていますが、あまり一般的な呼び方ではないかもしれません。

4. ソフト・ポジション
《駒から3〜4cm》くらい。弓の毛が弦に触れる量を減らすために、弓毛の駒寄り半分を浮かせるようにして弓身を指板側に45度くらい倒す(弦から弓身の立ち上がる角度が45度)。
5. ピアノ・ポジション
《駒から4〜5cm》くらい。弓身を指板側に60度くらい倒す(弦から弓身の立ち上がる角度が30度)。
6. スル・タスト
《指板の上》をひく。弓身を指板側に70度くらい倒す(弦から弓身の立ち上がる角度が20度)。

弓の当て方を考えよう

弓の角度と位置、その特性

 弓の角度と位置によって、どのような音が出るかが決まります。この使い分けを意識的に行うことが、上達の早道です。なかなかうまくいかないときは、この《角度と位置》を見直せば、ほとんどの場合解決します。

弓の角度
ここでいう《弓の角度》とは、《弓身の立たせ具合・寝かせ具合》=《弓毛と弦の密着率》です。
弓の位置
ここでいう《弓の位置》とは、《駒からどの程度離れたところをこするか》ということです。

当て方の参考メモ

  • 駒の近くは張力が強いので、弓身を立て、ゆっくりと奏することが出来る。フォルテの音を出しやすい(ただし、早く奏するとシャーシャーした音になる)
  • 駒から離れるほど、ソフトな音が出やすくなる。
  • 弓身が立っていると、弓毛が弦に全部密着するので強い音が出る。弓身をかたむけるほど、毛が弦に当たる部分が少なくなる(ピアノの音、ソフトな音が出し易い)
  • 元弓
    フォルテを出しやすい
    中弓
    弾力が適度にあって跳びやすい
    先弓
    張りが強いので、軽いスタッカートが良くできる

駒からの距離が一定にならないときは?

 さて、ここまで紹介してきた6種類の《駒からの距離》を意識的に使いわけるためには、駒からの距離を一定に保つ必要があります。どうしたらよいのでしょうか?

駒と弓の角度が、変化を生む

 駒と弓との距離が一定しなくて困るときには、Up/Down時の駒に対する弓の角度を操ってみましょう。

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弓を迷走させてみる実験!?

ボウイング基礎まとめ

 ボウイングの「位置」によって、「音色」や「音量」が簡単に使い分けられます。初歩の段階で、この使い分けをマスターすることが、表現力の基礎となっていきます。

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