今回は、バイオリン演奏をはじめたばかりの人が、最初に混乱しやすい「左手指のかたち」のことを考えていきます。
この《ヴァイオリン演奏・超入門》シリーズでは、当たり前すぎて教則本に書かれていないことや、じつは書いてあっても扱いが小さすぎて気づきにくいこと、「こんなに大事なんだから、もっとみんな情報をシェアしようよ」ということを取りあげていきます。
左手指の基本型は4つ
いくつかのバイオリン教本を見ると、最初のほうで「指のかたち」とか「指の開きかた」といった項目があります。書いていない教本もありますが、皆さんのお手持ちのバイオリン教本ではどのように書かれているでしょうか?ちょっと、探してみてくださいね。すごく大事なポイントです。
ちなみに、私の手持ちの教本をいくつか調べてみると2つの教本にこの4つの型が記載されていました。ひとつは、私に初めて手ほどきをしてくれたカナメ先生の手書き教本。もうひとつは、入手困難になっている『最新ヴァイオリン音階教本 山岡耕筰 著』です。
この2つの教本では、4つの型にそれぞれA・B・C・D型と名前が付けられています。
大事なこと!「指の行き先を学ぶ」
左手指の練習をするときに気をつけたいことがあります。それは、指に指板の場所を教えるトレーニングだと思って練習してほしいのです。
指が指板の《ここ》に触るために、指をどう動かせばいいかを見る。
指板の《ここ》を触るとどんな音程になるのかを聴く。
この2つが、左手指のトレーニングをする際に大事なことなので、練習中には時々このことを思い出すようにしてみてください。
4つの基本形は全ポジション共通で使える!
この4つの基本の型は、どのポジションでも同じように使えます。開き具合はポジションが高い音域へ移行するにつれて、狭くなっていきます。
ヴァイオリンを練習しはじめた頃は、この左手指の基本形を第1ポジションで練習していきます。これは、私の教わったやり方です。ピアノなどの鍵盤楽器の音をガイドにしながら、おおよその指の置き場所を身につけていきます。細かな音程のことは、指の型の区別をしながらじっくりと学んでいきましょう。
ここで、山岡耕筰さんの出版した教本『最新ヴァイオリン音階教本 山岡耕筰 著』から一部を紹介しておきます。
続きはまた今度。