【体験学習会を10倍楽しめる】アレクサンダーテクニーク教師、バジルさんのレッスン動画を読みといてみよう!

 アレクサンダーテクニークの教師は不思議なことをする人たちです。アレクサンダーテクニークのレッスンを受けたことがない人が、レッスンの様子を見たらきっと驚くはずです。「一体何が起きているのだろうか?」と。

 バジルさんのレッスンを初めて見た人も同様に、ちょっと不思議な印象を抱くかもしれません。なぜかというと、バジルさんが演奏者に向かって話しかけたり、手で触れたりするだけで変わっていくからです……演奏している人の動きや表情、楽器から出てくる音が、です。

Link: 弦楽器奏者に役立つアレクサンダーテクニーク体験学習会(2013年7月・東京) 講師はバジルさん

 演奏が変わっていく様子は、動画でも十分にわかります。実際のレッスンの動画が、バジルさんご自身のブログなどで紹介されています。このうち、弦楽器と関連の深いものを5本ご紹介します。

動画でみるバジルさんのレッスン

バイオリン演奏のレッスン・1

練習コーチング〜バイオリン前編〜

 まずは、ヴァイオリンのレッスンをみてみましょう。バジルさんの専門はヴァイオリンではなくホルンです。最初の動画では、バジルさんが何を観察をしているかに注目してみることをオススメします。

練習コーチング〜バイオリン後編〜

 後編では、受講生の発言に対してバジルさんがどんな言葉を選んで話しかけているかを聞いてみてください。受講生の学びを本当の意味で持ち帰ってもらうための取捨選択が、慎重に行われていることに気づくことができるはずです。

バジルさんのレッスンがなぜ効果的なのか

バジルさんを支える《アレクサンダーテクニーク教師としての知恵》

 バジルさんは弦楽器演奏を専門に勉強してきたわけではありません。ホルン奏者として技術を追求してこられたわけですから、弦楽器の演奏はむしろ門外漢と言ってもいいくらいです。なのに、これらの動画を見る限りでは、バイオリン教師も顔負けというくらいの的確な指導をしていると言えるのではないでしょうか。

観察と分析

 バジルさんはホルン奏者でもありますが、それを強固に支えているバックボーンがアレクサンダーテクニーク教師であるということです。アレクサンダーテクニーク教師には独特の共通した特徴がある、と僕は感じています。第1の特徴は最初に書いたように「観察と分析」なのです。受講生の動きや言葉をあるがままに見聞きして、カラダ本来の設計に適ったことをしているか、目的にふさわしい合理性を備えているかを分析していまます。

バイオリン演奏のレッスン・2

ドキドキ対処法,先生との関係,腕なのかバイオリンなのか〜前編〜

アレクサンダーテクニーク教師のサポート能力

 アレクサンダーテクニーク教師には、いくつかの共通する特長があると思います。さっきも書いたように、観察と分析の細かさ・深さです。

 さらに、僕が感心するのが、「持ち帰るべきアイデアがはっきりと分かる」ということです。これは、僕が知るアレクサンダーテクニーク教師の全員に共通する特長です。アレクサンダーテクニークの教師は、学習者が「よしわかった。これで持ち帰って試せるぞ」と、心と体で納得するまでレッスンを終わらせてくれません。逆に、本人が本当に学びたいこと以外は探求させてもらえない、と言えるのかも知れません。恐ろしい人たちですよ、アレクサンダーテクニーク教師って。

ドキドキ対処法,先生との関係,腕なのかバイオリンなのか〜後編〜

チェロ演奏のレッスン

仕事の分担が解放する響き〜チェロ編〜

 次のレッスンは圧巻です。受講生がひき始めようとしたその瞬間に注目してください。実際に音を出し始めてからまもなくバジルさんは演奏に待ったをかけます。演奏し始めてすぐの出来事でしたから、周りで見ていた受講生さんからは、笑い声が起きました「もうわかっちゃったの??」と。

 ここで大事なのは「すぐに分かって止めた」のとは別のところにある、ということではないでしょうか。まずは、動画の冒頭を見ていただきたいと思います。

 さて……何のために、あのタイミングで演奏を止めたのでしょうか。チェロを構えて音を出す準備段階ではなく、延々と演奏した後でもない時点を選んで受講生の演奏に待ったをかけたところに、バジルさんは意図を持っています。さあ、動画を見てみましょう。

バジルさんの持ち味《徹底した言語化》

 バジルさんのレッスンの特長の1つに、《レッスンの成果が言語化される》ということがあります。レッスンをすると、成果ともいうべき学びを得ることができますが、このレッスンの成果である「問題解消のためのプラン」が、バジルさんのレッスンでは、はっきり言語化されるということが大きな特徴だと思います。

 もうちょっと補足しましょう。「家に帰ってやってみよう、次の練習でも試してみよう、本番でも使えるようになっていこう」というときに、《言葉にならないコツ》ではなく、そのまま言葉にして使えるようなアイデア《動作のプラン》が簡単な一文として得られる、ということです。

貴重な映像・バジルさんの先生とバジルさんのレッスンの様子

 すでにご紹介した以外にも、バジルさんはレッスンの動画を公開してくれています。この記事で紹介した5本の動画以外にも、注目したいものがあります。それはバジルさんがアレクサンダーテクニーク教師としてデビューするかどうかという時期に、バジルさんがジェレミーさんからホルン演奏を指導してもらっている動画です。

バジルさんのお師匠・ジェレミーさんのレッスンの様子

 ジェレミーさんはバジルさんにとってアレクサンダーテクニーク教師としての直接の師匠にあたります。ジェレミーさんは俳優ですから、楽器演奏については専門外です。ですが、ホルン演奏の専門家であるバジルさんの演奏に大きな影響をあたえるようなレッスンをしてしまいます。

 この動画に収録されているレッスンは英語で行われています(かすかに通訳さんの声も聞こえます)

ホルン&アレクサンダーテクニーク The Horn and the Alexander Technique
(English)

 アレクサンダーテクニークの教師が、専門外の領域についてもレッスンできてしまう理由が少しでもおわかりいただけたでしょうか?

Link: 弦楽器奏者に役立つアレクサンダーテクニーク体験学習会(2013年7月・東京) 講師はバジルさん

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